都島区の古い木造住宅と、狭い道路

同じ都島区でも、町丁目によって条件がまるで違います。

はじめに、よくある誤解について

「大阪は長屋が多い」と言われます。ただし都島区に限っていえば、長屋は多くありません。令和5年住宅・土地統計調査で、区内の長屋建ては520戸・0.9%。大阪市全体の2.1%の半分以下です。

一方で、特定の町丁目には古い木造住宅がまとまって残っており、大阪市がそこを対象に補助制度を設けています。「都島区だから」ではなく、「その町丁目だから」で条件が変わります。

大阪市の除却補助の対象になっている地区

大阪市の「狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度」で、都島区では次の町丁目が対策地区に指定されています。

都島区の対策地区

東野田町五丁目/都島中通一丁目・二丁目・三丁目/都島本通三丁目・四丁目・五丁目/都島南通一丁目(21番・22番のうち都島東野田線以東)/都島南通二丁目

主な対象昭和25年(1950年)以前に建てられた木造住宅で、幅員4メートル未満の道路に面する敷地などにあるもの。建築基準法上の道路との接し方など、細かい条件があります。家の中に残った物の撤去費用は補助の対象外です
補助の額見積額と市が算定した額の低いほうの2分の1
上限一戸建て105万円/集合住宅等は1戸あたり80万円
2026年度の申請期限2026年12月28日(完了報告は2027年2月26日)
大事な点工事に着手する予定日の40日以上前に申請が必要です。申請から交付の可否が決まるまで40日ほどかかります。先に解体を始めてしまうと使えません。予算の状況により、期限前でも受付が終わることがあります

2026年度の制度内容です。ほかにも条件がありますので、詳しくは大阪市にご確認ください。
出典:大阪市「狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度」/同制度の案内(令和8年度・対象地区一覧)

なお、大阪市には「狭あい道路拡幅促進整備事業」もありますが、こちらは指定された重点対策地区などが対象で、都島区全域に使える制度ではありません。

出典:大阪市「狭あい道路拡幅促進整備事業」

幅員4メートル未満の道路に面している場合

建物の敷地は、原則として建築基準法上の道路に2メートル以上接している必要があります。そして、幅員4メートル未満の「42条2項道路」に面している場合、建て替えのときに道路の中心線から2メートルまで敷地を後退させることになります(セットバック)。ただし道路の反対側が崖や川などの場合は、下がり方が変わります。

出典:大阪市「建築基準法上の道路」

後退した部分には建物を建てられず、使える敷地が実質的に小さくなります。そのぶん、建てられる家の大きさも価格も変わります。売り出す前に、この点をはっきりさせておくと話が早くなります。

道路の幅で、取引価格はどれくらい違うか

国土交通省の「不動産情報ライブラリ」(不動産取引価格情報)で、都島区の2023年4月〜2026年3月の3年間に収録された取引事例を、前の道路の幅で分けました。

区分前の道路の幅収録件数価格の中央値土地1㎡あたりの中央値
土地のみ4m未満16件2,650万円37.5万円
4m以上64件4,500万円49.0万円
土地と建物4m未満22件2,400万円37.0万円
4m以上152件4,550万円51.4万円

前の道路が4メートル未満のものは、1㎡あたりの価格の中央値が土地のみで約23%、土地と建物で約28%低くなっています。ただし4メートル未満の取引は件数が少なく(16件・22件)、この差には道路の幅だけでなく、土地の広さや形、場所の違いも含まれています。目安としてご覧ください。

1㎡あたりの価格は、どちらの区分も、取引価格を公表された土地の面積で割って求めたものです(「土地と建物」は建物の価格を含みます)。面積は5㎡きざみで公表されているため、いずれも概算です。道路の幅が公開されていない事例(各1件)は含めていません。
「中央値」は、安い順に並べたときに真ん中にくる金額です。
出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産価格(取引価格・成約価格)情報(API:XIT001)をもとに株式会社ARIA Partnersが集計・加工して作成(2026年9月28日取得)
このサービスは、国土交通省の不動産情報ライブラリのAPI機能を使用していますが、提供情報の最新性、正確性、完全性等が保証されたものではありません。表の集計と掲載は、当社の責任で行っています。

相続した古い家で、確かめていること

前面道路建築基準法上の道路かどうか。42条2項道路ならセットバックの範囲
接道の長さ2メートル以上あるか。足りなければ、原則として建て替えができません(建築基準法43条2項の認定・許可を受けられる場合は例外)
私道の権利前の道が私道の場合、通行と掘削の承諾が取れるか。亡くなった方の名義の私道が見つかることがあります
連棟かどうか隣と壁がつながっている場合、単独で切り離せるか。隣の方の同意が要ることがあります
未登記の増築登記簿の床面積と実際の建物が違っていないか
用途地域都島区には第二種中高層住居専用・第一種住居・第二種住居・近隣商業・商業・準工業の各地域があります。建てられるものと容積率が変わります

解体を決める前に、一度ご相談ください

「古いから、更地にしないと売れない」とお考えになる方が多いのですが、先に解体すると不利になることがあります。

  • 建物が建っている土地は固定資産税の課税標準が小さくなる特例があり、更地にすると翌年から税額が上がることがあります
  • 建て替えができない土地では、建物を壊すとかえって買い手が減ります
  • 上でご説明した除却の補助は、工事に着手する予定日の40日以上前に申請しないと使えません
  • 直して使いたいという買主が見つかれば、解体費用をご負担いただかずに売れることがあります

実際の進め方は解体を決める前に、売り方から考えるをご覧ください。

建て替えができない土地でも

接道の条件を満たさず建て替えができない土地は、買い手が限られます。売れないわけではなく、買う人と売り方が変わります。当社では、隣地の所有者にご購入の意向をうかがう方法も含めて検討します。

くわしくは再建築不可の家・土地をご覧ください。

※当社は訳あり物件を自社で買い取れる資力を備えているわけではありません。買取が難しい場合は、その理由をご説明したうえで、ほかの方法をご案内します。

※制度・統計の最終確認日:2026年9月23日(取引価格は2026年9月28日取得)。補助制度の内容と期限は年度ごとに変わります。申請の前に大阪市にご確認ください。

相続した不動産、まずは状況をお聞かせください

名義が亡くなった方のままでも、相続人どうしの話し合いがまだでも、ご相談いただけます。
ご相談・査定は無料です。(遠方の物件で現地調査費がかかる場合は、調査前に内容と金額をご案内し、ご承諾をいただいてから実施します)

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