違法建築の疑いがある家を売る

神戸市北区鈴蘭台北町/一戸建て/仲介/売り出しからお引渡しまで約5か月

この事例を載せている理由

売れたことよりも、売り出したあとに建物の問題が分かり、思ったほど高くは売れなかったことのほうが、これからご相談される方の役に立つと考えたためです。ご本人のご同意をいただいて掲載しています。

地域兵庫県神戸市北区鈴蘭台北町
物件の種類一戸建て(木造2階建て・昭和47年の建築、昭和61年に増築)
売り方仲介(お相手は個人のお客様)
期間売り出しからお引渡しまで約5か月
結果売り出した価格から下げての成約になりました
掲載時点2026年6月(取引は終了しています)

ご相談いただいたとき

人が住まなくなって空き家になっていた一戸建てについて、売却のご相談をいただきました。駅から歩ける住宅地にある、昭和47年に建てられた木造の2階建てです。

調べて分かったこと

売り出してから、買いたいという方に向けて調査を進める中で、建物に次の点が見つかりました。

  • 昭和61年に増築されていたが、その部分が登記されていなかった。登記簿の床面積と、実際の建物の大きさが違う状態でした
  • 実際の延べ床面積が、その土地に認められている容積率を超えている可能性があった。第一種低層住居専用地域で、建ぺい率50%・容積率100%の制限がかかる土地です。容積率超過の違法建築、または既存不適格建築物に当たる可能性があるということになります
  • 敷地が接している道路は私道で、西側の道は道路台帳のうえで建築基準法第42条第1項第1号の道路として取り扱われていた

「違法建築」と「既存不適格」は違います

既存不適格は、建てたときは法律に合っていたのに、あとから法律や都市計画が変わって、いまの基準には合わなくなった建物です。これは違反ではありません。

違法建築(違反建築物)は、建てたとき、あるいは増築したときから基準に反している建物です。この事例では、あとから増築した部分が原因と考えられるため、どちらに当たるかを断定できませんでした。

どちらであっても、買う側にとっては同じ問題が起きます。金融機関によっては住宅ローンの対象にならず、建て替えのときに同じ大きさの家を建てられない可能性もあります。そのぶん、買える方が限られます。

お示しした選択肢

金額は掲載していません。ご相談したのは、「この事実をどう扱うか」でした。

書いて売る(選んだ方法)触れずに売る
買主への説明重要事項説明書に記載する記載しない
価格下がる下がりにくい
買える人限られる(ローンが使えない場合がある)見かけ上は広い
引渡しのあと問題が起きにくいあとから発覚すれば、売主が責任を問われる

そもそも、宅地建物取引業者には、こうした事実を重要事項として説明する義務があります。当社に「書かない」という選択肢はありません。そのうえで、書くことによって価格がどう動くかを、先にお伝えしました。

選ばれた進め方と、その理由

重要事項説明書に「延べ床面積が指定容積率を超過している可能性があり、容積率超過の違法建築または既存不適格建築物に該当する可能性がある」ことを明記し、増築部分が未登記であることもあわせて記載したうえで売り出しました。

結果として、売り出した価格から下げての成約になりました。ご本人には、下げた理由が「売り方が悪かったから」ではなく「建物にそういう事情があったから」だということを、その都度ご説明しています。

進めた手順

ご相談・ご査定(担当:ARIA Partners)

現地と登記簿を確認し、査定報告書をお出ししました。

媒介契約・売り出し(担当:ARIA Partners)

指定流通機構(レインズ)に登録し、他の不動産会社にも情報が届く形で売り出しました。

役所と道路の調査(担当:ARIA Partners)

用途地域・建ぺい率・容積率、前面道路の取り扱いを確認する中で、容積率の超過の可能性が分かりました。

ご報告と、価格の見直しのご相談(担当:ARIA Partners)

分かったことと、それが価格に与える影響をご説明しました。

重要事項説明・売買契約(担当:ARIA Partners)

建物の事情を記載したうえでご説明し、ご納得いただいた買主さまと契約しました。

お引渡し(担当:ARIA Partners/司法書士)

契約と同じ日に残代金の受け取りと登記の申請、鍵のお引渡しを行いました。

担当者から

昭和の家には、増築が登記されていない、確認を受けずに建て増しているというケースがよくあります。ご家族は「昔、おじいさんが部屋を足した」くらいのご記憶しかないことがほとんどです。

こうしたことは、売り出してから分かると、価格を下げる相談をすることになります。先に分かっていれば、その前提で価格を決められますし、買い手の探し方も変えられます。査定の前に登記簿と、可能なら建築確認の書類を探しておいていただけると、話が早くなります。

そして、隠して売ることはできません。あとから発覚すれば、契約の解除や損害賠償の話になり、売主であるご本人がその矢面に立つことになります。書いて、そのぶん価格に反映させるのが、いちばん安全な売り方です。

この事例についてのお断り

掲載についてご本人の同意をいただいています。地域は町名まで、物件名・お名前・金額は掲載していません。建物が違法建築か既存不適格かは断定していません(重要事項説明書でも「該当する可能性がある」としてご説明しています)。この事例は、この物件とこのご家族の事情のもとでの結果です。同じ条件でも結果は変わりますので、見込みについてはご相談の際に個別にご説明します。また、すでに取引が終わった事例であり、販売中の物件のご案内ではありません。

相続した不動産、まずは状況をお聞かせください

名義が亡くなった方のままでも、相続人どうしの話し合いがまだでも、ご相談いただけます。
ご相談・査定は無料です。(遠方の物件で現地調査費がかかる場合は、調査前に内容と金額をご案内し、ご承諾をいただいてから実施します)

電話LINE相談フォーム