同じ家なのに、なぜ数百万円も差がつくのか。
相続した実家の査定を3社に頼んだら、金額がばらばらだった。こういうご相談をよくいただきます。「いちばん高いところに頼むべきか」と聞かれることもあります。結論から申し上げると、金額の大小よりも、その金額の根拠を見てください。理由をご説明します。
査定は「予想」であって「評価」ではない
不動産会社が出す査定価格は、その不動産会社が「この価格なら売れると思う」と考えた予想です。不動産鑑定士が行う鑑定評価とは別のもので、法律で金額が決まるわけでもありません。予想である以上、会社によって違って当然です。
そして査定価格は、その価格での売却を約束するものではありません。売り出してみたら買主が現れず、値下げすることもあります。
差が出る4つの理由
1. 参考にした取引事例が違う
査定の基本は、近くで似た不動産がいくらで売れたかを調べることです。ところが「近く」「似た」の範囲の取り方は会社によって違います。駅からの距離を重く見るか、土地の広さを重く見るか、いつの取引を採用するか。ここで差が出ます。
2. 個別の事情をどう評価したか
相続した不動産は、次のような事情を抱えていることが多く、ここの見方で金額が大きく変わります。
- 境界がはっきりしていない、隣の建物やブロック塀がはみ出している
- 前面の道路との関係で、建て替えができるか分からない
- 家財が残ったままで、中の状態が見られていない
- 相続人が複数で、売るまでに時間がかかりそう
こうした点を調べずに「問題なし」として計算すれば、査定価格は高く出ます。調べたうえで減額すれば、低く出ます。金額だけ比べると、調べていない会社の方が良く見えてしまいます。
3. 売り出し価格と、売れる価格を混ぜている
「まずこの価格で出してみましょう」という売り出しの提案と、「最終的にこのくらいで売れるでしょう」という着地の予想は、別のものです。前者を査定価格として示されると、高く見えます。どちらの意味で出された金額なのかを聞いてください。
4. 媒介契約を取りたい、という事情
申し上げにくいことですが、これは実際にあります。高い金額を出せば依頼を受けやすく、売れなければ後から値下げを提案すればよい、という進め方です。高い査定が、高く売れることを意味するわけではありません。
査定書のどこを見るか
| 見るところ | 確かめたいこと |
|---|---|
| 参考にした取引事例 | どの物件を、いつの取引を参考にしたかが示されているか。近すぎず遠すぎない事例か |
| 増減の理由 | 事例の価格から、なぜいくら足した/引いたのかが書かれているか |
| 調べた範囲 | 現地を見たか、役所で建て替えの可否を確認したか、登記簿を見たか |
| 想定している期間 | その価格で売れるまでに、どのくらいかかると考えているか |
| 売れなかったときの話 | 買主が見つからない場合にどうするかが示されているか |
この5つに根拠をもって答えられる査定であれば、金額が他社より低くても、比べるための材料になります。逆に、金額だけが書かれた紙が届いたのであれば、根拠を聞いてみてください。
ARIA Partnersの査定書でお示しする項目
参考までに、当社が査定の結果としてお渡しする書面の項目を挙げておきます。他社の査定書と見比べるときの目安にしてください。
| 項目 | 書いてあること |
|---|---|
| 物件の概要 | 所在・地番・地積・建物の構造と床面積・築年。登記簿の記載にもとづきます |
| 確認した資料 | 登記事項証明書、公図、固定資産税の課税明細、役所で確認した内容など、何を見て出した価格かを書きます |
| 参考にした成約事例 | どの地域の、いつの、どんな物件の取引を参考にしたか |
| 接道・法令・権利の注意点 | 建て替えができるか、境界が確定しているか、越境や借地などの事情があるか |
| 仲介で売る場合の想定価格帯 | 幅でお示しします。売れる価格を約束するものではありません |
| 当社が買い取る場合の価格 | 買取ができる物件の場合に記載します。仲介の想定との差額の理由も書きます |
| 差し引かれる費用 | 仲介手数料、印紙税、解体や測量が必要な場合はその見込み |
| 手取りの見込み | 上の2つを差し引いた、お手元に残る金額の目安(税金は含みません) |
| 想定する期間 | 売り出しからお引渡しまでにかかりそうな期間 |
| この査定の有効期限 | 相場は動くため、いつ時点の見立てかを明記します |
※これは不動産会社が行う「査定」であり、不動産鑑定士による鑑定評価ではありません。記載する金額はいずれも見込みであり、その価格での売却を約束するものではありません。
当社のやり方
当社では、仲介で売った場合の見込み価格と、当社が買い取る場合の価格を、両方お示しします。買取価格は仲介より低くなるのが一般的ですので、並べれば差がはっきり見えます。そのうえで、期間・手間・費用の違いをご説明し、ご家族に選んでいただいています。
一般的には仲介の方が高く売れることが多く、その事実は曲げてお伝えしません。当社で買い取れない物件のときも、そのように申し上げます。
相続した不動産、まずは状況をお聞かせください
名義が亡くなった方のままでも、相続人どうしの話し合いがまだでも、ご相談いただけます。
ご相談・査定は無料です。(遠方の物件で現地調査費がかかる場合は、調査前に内容と金額をご案内し、ご承諾をいただいてから実施します)