相続した実家、最初の3か月でやること

売ると決めていなくても、先にやっておくと後が楽になることがあります。

親が亡くなったあと、しばらくは葬儀や役所の手続きで手一杯になります。不動産のことは「落ち着いてから」と後回しになりがちですが、後回しにすると取り返せないものがいくつかあります。売るかどうかを決める前にできることを、順にご説明します。

まず、期限を並べてみる

相続には期限のある手続きがいくつもあります。不動産に関わるものを中心に並べると、次のようになります。

いつまで何を
3か月相続放棄・限定承認の申述(自己のために相続の開始があったことを知った時から)。借金のほうが多い場合の判断はここまで
4か月亡くなった方の所得税の準確定申告
10か月相続税の申告・納付。農地を相続したときの農業委員会への届出も、おおむねこのころ
3年相続登記の申請(相続と取得を知った日から)。2024年4月より前の相続は原則として2027年3月31日まで
3年経過する日の
属する年の12月31日
相続した空き家を売ったときの3,000万円特別控除を使うなら、ここまでに売る
3年10か月取得費加算の特例を使うなら、ここまでに売る

ご覧のとおり、売却に関わる期限は「3年」で切れるものが多いのが特徴です。3年は長いようでいて、遺産分割の話し合いが長引くとあっという間に過ぎます。詳しくは売ったときの税金をご覧ください。

最初の3か月でやっておきたいこと

1. 不動産が何か所あるかを確かめる

いちばんの手がかりは、毎年春に届く固定資産税の納税通知書です。ただし通知書に載らない不動産もあります(税金がかからない私道など)。市町村の窓口で名寄帳を取ると、その市町村内で亡くなった方が持っていた不動産を一覧で確認できます。別の市町村にある不動産は、その市町村ごとに取る必要があります。

2. 現況を写真に残す

家の中と外を、ひととおり写真に撮っておいてください。片付ける前の状態が残っていると、後で売り方を考えるときの材料になります。屋根や外壁の傷み、雨漏りの跡、庭木の伸び具合も撮っておくとよいところです。

3. 電気・ガス・水道の停止日を記録する

これは意外に大事です。相続した空き家を売って3,000万円の特別控除を使う場合、市区町村に「空き家だった」ことを示す書類を出します。そのとき、電気・ガス・水道の使用中止日が分かる書類が使えます。解約から時間が経つと取り寄せが難しくなるため、解約のときの控えや、最後の請求書を残しておいてください。

4. 火災保険を確かめる

建物の火災保険がどうなっているかを確認します。人が住まなくなると、契約の条件が変わる場合があります。空き家の間に火事や台風の被害があったときに保険が使えないと、売却どころではなくなります。保険会社に相続があったことを伝えてください。

5. 郵便物を転送する

実家に届く郵便物には、固定資産税の通知、保険、公共料金など、判断に必要なものが混ざっています。郵便局に転居届を出すか、ときどき見に行って回収してください。ポストがあふれていると、空き家だと外から分かり、防犯の面でもよくありません。

6. 売った場合の金額を知っておく

遺産分割の話し合いでは、「その家がいくらになるか」が分からないまま議論しても進みません。売ると決める前に金額の目安を知っておくと、住み続ける人が他の相続人に払う金額を考えるときにも使えます。当社では、仲介で売った場合の見込みと、当社が買い取る場合の価格を並べてお出ししています。

この段階では、まだ決めなくてよいこと

解体するかどうかは、売り方を決めてからで構いません。先に解体すると、土地の固定資産税を軽くする特例が外れて翌年から税額が上がったり、再建築ができない土地ではかえって売りにくくなったりすることがあります。家財の処分も、売り方によっては当社側で行えます。

個別の手続きは、司法書士・税理士など各分野の専門家にご確認ください。

制度情報の最終確認日:2026年9月22日。制度は改正されることがあります。主な参照先:

相続した不動産、まずは状況をお聞かせください

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