相続した不動産で、最初に手に入る資料です。
「実家を相続したが、何から調べればよいか分からない」というとき、いちばん手近な資料が固定資産税の納税通知書です。毎年春に市町村から届く、あの封筒です。ここには売却を考えるうえで必要な情報がかなり載っています。一方で、ここに載らない不動産もあることは知っておいてください。
課税明細書に書いてあること
納税通知書には「課税明細書」という一覧が付いています。おおむね次の項目が並んでいます。
| 項目 | 何が分かるか |
|---|---|
| 所在・地番 | 土地の場所。住所(住居表示)とは違う表記です。登記簿を取るときに使います |
| 家屋番号 | 建物を特定する番号。登記されている建物であれば載っています |
| 地目 | 宅地・田・畑・山林など。田や畑であれば、売るのに農業委員会の許可が要る可能性があります |
| 地積・床面積 | 土地の広さ、建物の延べ床面積。登記されている数字です |
| 構造・建築年 | 木造か鉄骨か、いつ建てられたか。昭和56年5月31日以前かどうかは、空き家の3,000万円特別控除を使えるかに関わります |
| 価格(評価額) | 固定資産税を計算するもとになる金額。売れる金額ではありません |
| 課税標準額 | 評価額に特例などを適用した後の金額。住宅が建っている土地は、評価額より小さくなっています |
評価額は、売れる金額ではありません
よくある誤解です。土地の固定資産税評価額は、地価公示価格の7割程度を目安に定められています。建物の評価額は、同じものをもう一度建てるとしたらいくらかかるか、という考え方で計算されるため、中古市場での価値とは別のものです。
「評価額が1,000万円だから1,000万円で売れる」とはなりません。場所によっては評価額を上回ることも、下回ることもあります。売れる金額を知るには、その地域での実際の取引を調べる必要があります。
通知書に載らない不動産がある
ここがいちばんお伝えしたいところです。次のような不動産は、納税通知書に出てこないことがあります。
- 税金がかからない土地…公衆用道路として使われている私道など
- 評価額が一定の金額に満たない不動産…同じ市町村内の合計で、土地は30万円、家屋は20万円に満たない場合、固定資産税がかかりません(免税点)
- 他の市町村にある不動産…通知書は市町村ごとに届きます。和歌山と大阪に不動産があれば、封筒は2通です
- 共有の不動産…共有者の代表者ひとりに届くため、代表者でない方の手元には来ません
見落としやすいのが私道です。家の前の道が実は亡くなった方の名義だった、というケースは珍しくありません。通知書に載っていないので気づかないまま相続登記をし、売却のときに「道の名義が違う」と分かって止まることがあります。
名寄帳で全件を確認する
市町村の窓口で名寄帳(なよせちょう)を取ると、その市町村内で亡くなった方が持っていた不動産を一覧で確認できます。税金がかからない土地も載るため、通知書より確実です。相続人であれば、戸籍などで相続人であることを示して取得できます。
取る先は、不動産のある市町村です。どこに不動産があるか分からない場合は、心当たりのある市町村に問い合わせることになります。手続きの詳細は市町村によって違いますので、窓口にご確認ください。
来年度の税額が変わることがあります
住宅が建っている土地は、固定資産税の課税標準が小さくなる特例があります(200平方メートルまでの部分は評価額の6分の1、それを超える部分は3分の1)。そのため、建物を取り壊して更地にすると、翌年から土地の税額が上がることがあります。
また、空き家として放置し、市町村から「管理不全空家」として勧告を受けた場合にも、この特例が受けられなくなります。解体の判断は、売り方を決めてからにすることをお勧めしています。
税額や手続きの詳細は、不動産のある市町村にご確認ください。
制度情報の最終確認日:2026年9月22日。制度は改正されることがあります。主な参照先:
相続した不動産、まずは状況をお聞かせください
名義が亡くなった方のままでも、相続人どうしの話し合いがまだでも、ご相談いただけます。
ご相談・査定は無料です。(遠方の物件で現地調査費がかかる場合は、調査前に内容と金額をご案内し、ご承諾をいただいてから実施します)